ナイアガラ アメリカ20世紀フォックス(1953)
監督
 ヘンリー・ハサウェイ

監督
 ジョー・マクドナルド

出演
 マリリン・モンロー
 ジョゼフ・コットン
 ジーン・ピータース
この映画『ナイアガラ』は、あのモンローウォークが初めて登場したことで有名であるが、サスペンス映画としても一級品で、面白く楽しめる作品である。 映画の舞台は、題名どおりのナイアガラの滝であり、ナイアガラがアメリカとカナダの国境にあるという特徴や、滝の観光施設をうまく活用した脚本になっており、最近のCGを多用したスピード感溢れる映画ではなくとも、面白い映画が作れることを知ることができよう。

 映画は、早朝のナイアガラを一人の男が見に来ているところから始まる。この男の名はジョージ(ジョゼフ・コットン)といい、彼の妻ローズ(マリリン・モンロー)とナイアガラ観光に来ていたのである。彼らが宿泊していたロッジに、食品会社に勤めるカトラー夫妻が新婚旅行でやってくるのだが、ローズの不倫から起きる事件に新婦のポリー(ジーン・ピータース)が巻き込まれてしまう。サスペンス映画紹介のルールとして、どのように物語が展開するかをここで述べることは止めにして、実際に映画をみて堪能していただきたいものである。

 この映画は、実にナイアガラの魅力が満載で、映画館でこの映画を見れば我々自身がナイアガラを実際に観光しているような錯覚に陥ってしまうであろう。ナイアガラの滝を堪能するためだけにこの映画を見ても良いのではないかと思われるほどであるが、この映画を面白くさせた他の要因は、マリリン・モンローの魅力とは反対の雰囲気を持つジーン・ピータースを配し、彼女がナイアガラそのものによって身の危険にさらされるという脚本にあるであろう。思いがけずにジーンを危険にさらすジョージを演じたジョゼフ・コットンは、『第三の男』、『ガス灯』、『市民ケーン』(アメリカ映画のベスト1とも言われる)等の幾多の名作に出演した名優であり、これらの歴史に残る作品も見ておきたいものである。

 以下に他の方の感想があります。