監督
本田猪四朗
特技監督
円谷英二
音楽
古関裕而
出演
フランキー堺
香川京子
小泉博
ザ・ピーナッツ
志村喬
上原謙 |
日本映画は、数々の怪獣を創作し、世に送り出してきた。特撮怪獣映画のファンによってそれぞれ異なるであろうが、モスラは、ゴジラと並ぶ日本映画を代表する怪獣スターである。私的には、特撮怪獣映画の三大スターは、ゴジラ、モスラ、大魔神である。もっとも、大映が世に送り出した大魔神を”怪獣”と呼べるかどうかは異論があるであろうが。
この映画『モスラ』のストーリーや、撮影、特に特撮を担当した円谷英二監督にまつわる様々なエピソード、そして映画の持つメッセージ性等については、既に語られすぎていると言っても言い過ぎではないであろう。いずれにしろこの映画を見ると、東宝が世に送り出してくれた一連の特撮映画に心躍らせた小さかった頃を、ザ・ピーナッツのモスラの歌と共に容易に思い出すことができるのである。
『モスラ』は、ミニチュア撮影を使った特撮映画の頂点ともいうべき作品であり、ザ・ピーナッツが演じる小美人を助けに行くため幼虫の姿で洋上を泳ぐシーン、ダムを破壊するシーン、東京の街を破壊しながら進み東京タワーで繭となり、羽化して巨大な蛾(?)となって飛行するシーン、そのいずれもが円谷特撮技術の見事な成果といえよう。
この当時の東宝の特撮技術が世界的であることを示すように、この『モスラ』はアメリカのコロンビア映画との合作である。そのため、モスラが活動する場は日本のみではなく、ニューヨークによく似た名前で町並みもそっくりなー”ニューカーク・シティ”もモスラによって破壊される。
世界配給を前提としていたためと思われるが、黒澤明監督作品には欠かせない存在であり、『生きる』でニューヨーク・タイムズから世界一の名優と絶賛された志村喬、そして小津監督の『東京物語』や溝口健二監督の『近松物語』の香川京子さん他の名優達が出演している。
近年のコンピュータ・グラフィックス技術を用いた映画の発展によって、残念ながら日本の特撮映画は後塵を拝していると言わざるを得ないが、『モスラ』をはじめとするこの時代の怪獣映画を見ると、当時の日本映画に携わった人々の情熱と創造性に感嘆するばかりである。そして、日本映画の特撮技術が、再び世界から注目される日が再び来ることを期待したいものである。
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