監督
ジョージ・キュー カー
音楽
レナード・バーンスタイン
出演
イングリッド・バーグマン
シャルル・ボワイエ
ジョゼフ・コットン |
『ガス灯』は、20世 紀最高の美人女優の一人であるイングリッド・バーグマンが、アカデミー主演女優賞を獲得した心理サスペンス映画の傑作である。映画の概要は以下のようなも
のである。
1875 年秋のロンドンのソーントン街で高名なオペラ歌手アリス・ア ルキストが自宅で絞殺されるという事件が起きた。しかしこの事件は、解決の兆しが見えなかった。アリスは、両親を亡くしていた姪のポーラを引き取って育て
ていた。ポーラは、叔母が倒れている事件現場を目撃していたのである。アリスの遺産を 相続したポーラは、叔母と同じように歌手になるためイタリアに留学するのだが、そこで数年が過ぎたときポーラの練習のピアノ伴奏をしていたグレゴリーとい
う男と出会い結婚する。二人は新婚生活を始めるために、あのソーントン街の叔母の家に引越してくる。グレゴリーが、ロンドン公園を眺めることができる家で
生活することを望んだためである。
幸せな生活を送るはずのポーラだったが、直ぐに ポーラの身におかしな出来事が起きはじめる。ポーラの知らぬ間に、ハンドバックに入れたはずの首飾りを紛失したり、壁に架かっていた絵をいつの間にかはず
して隠していたりするのであった。また、グレゴリーは仕事用に別な部屋を借り、隣人の訪問を極端に嫌い、時にはそのことに関して激高したりするのである。そして夜になると部屋のガス灯が、スーと一瞬暗くなったり、足音や物をひっくり返すような音がポーラに聞こえてくるのである。こうしたことから、ポーラは
次第に不安を募らせていき、しだいに精神の均衡を失っていくのであった。
こういった状況の中、かつてアリスの熱心なファンであったスコットランド・ヤード、即ちロンドン警視庁の次長であるブライアン・キャメロンが街でポーラ
を見かけたことから、再び叔母アリスの殺人事件を再調査し始めるのであった。そして、……。
以上が映画『ガス灯』の概要である。勿論ここでは、サスペンス映画紹介の常道として、最後の解決へのクライマックスについては述べないので見ていただくしかないのであるが、この映画はミ
ステリーとしての面白さというよりは、アカデミー主演女優賞に輝いたイングリッド・バーグマンの迫真の演技を見るべきものかもしれない。
叔母が殺され不安と悲しみに沈む少女、声楽を学ぶためにイタリアに留学し、そこで恋をしたときの輝くような表情、結婚して幸せになるはずだったにもかか
わらず、態度が急変した夫と身の回りに起こる不可解な様々な出来事から次第に精神のバランスを失っていく様子、そして”部屋のガス灯がスーッと一瞬暗くな
る”ということの理由がわかったときの表情や演技は、まさにアカデミー主演女優賞に値するものであろう。そしてこの映画は、『カサブランカ』と同じように、20世紀最高の美人女優の一人で
あるイングリッド・バーグマンの美しさを堪能できる映画であることも追記しておきたいものである。
以下に他の方の感想があります。
 

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