黄色いリボン アメリカ(1949)
監督
 ジョン・フォード

出演
 ジョン・ウェイン
 黄色いリボンは、アカデミー監督賞を4回も受賞した巨匠ジョン・フォード監督のアメリカ騎兵隊を扱ったジョン・ウェイン主演の名作である。この映画を観ると、暫らくの間、テーマ曲の”黄色いリボン”の旋律が頭から離れず、思わずメロディーを口ずさんでいることに気がつくであろう。私の持っているDVDでは英語字幕がないので、英語に弱い私には歌詞が聞き取れないのだが、ありがたいことにネット上にこの歌詞があった。ただし、いくつかバリエーションがあるようで下記の詩がこの映画で歌われた歌詞かどうかは、残念ながら定かではない。


Round her head she wore a yellow ribbon
She wore it in September and in the monthofMay;
They asked, they asked the reason why sheworeit.
She wore it for her sweetie who was far, far away
Far away, far away
And she wore it for her sweetheart
Who was far, far away.

 ジョン・フォード監督は”映像の詩人”と評されたが、この黄色いリボンも全編詩情溢れる場面の連続である。また、ダイナミックな映像もすばらしく、疾走する駅馬車とそれを追う騎兵隊、インディアンの野営地を駆け抜ける馬の大群等、どの場面をみてもCGにはない本物の映像に感嘆してしまうのである。この作品がアカデミー撮影賞を受賞しているのも当然であろう。

 映画は、ジョン・ウェイン演じるブリトルズ大尉が騎兵隊を退役するまでの残りの6日間を描いている。最後の任務は、砦の隊長夫人(ミルドレッド・ナットウィック)とその姪オリヴィア(ジョン・ドリュウ)とを駅馬車の中継駅に送ることを兼ねて砦周辺のパトロールを行うことであった。

 しかし、その頃インディアンは不穏な動きをしており、中継駅は襲撃されてしまっていたため、やむなく再び砦に戻るが、その途中でインディアンの追撃を受ける。川を渡れば、砦に近いところまできたところで、騎兵隊の一部を後方警備に廻してインディアンに当たらせ、残り部隊を砦まで無事に帰し、再び救出に向かおうとするが、隊長から許されず退役の日を迎えてしまう。退役の日に部下達から記念の時計をもらい、西部に一人向かうが、インディアン達の無謀な戦を避けるために部下に合流し、最後の仕事を行うのである。

 以上がこの映画の概要であるが、映画はインディアンと騎兵隊との戦いというよりは、ブリトルズ大尉の騎兵隊退役までの6日間の心象風景を描くことに重点が置かれており、それがこの映画を単なる西部劇ではなく、詩情豊かなものにしているのであろう。


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